抄造とは
抄造製法は不織布を製作する方法で、不織布の製法には「乾式」と「湿式」の2種類あります。抄造製法は「湿式」の製法です。
(不織布とは繊維を織らずに熱・機械的または化学的な作用によって接着または絡み合わせたシート状の布です。)
湿式不織布
繊維を水に混ぜ、そのスラリーを網の上に流すことで繊維と水を分離し、繊維を乾燥させてシート状に仕上げます。紙抄きと同じ製法です。
乾式不織布
空気中で繊維を分散させて、繊維を積層していく製法です。湿式に比べて、空気中で積層するため均一化が難しいです。
湿式抄造製法
抄造の強み
FEATURE
FEATURE 01 高い分散性と安定した配向
長繊維でも高い分散性と安定した配向が可能。
→安定した高強度が可能となります。
均一に繊維が分裂
FEATURE 02 自由度の高い配合
自由度の高い配合が可能。
→様々な機能材料への展開が可能となります。
抄造を用いた製品
PRODUCT
自動車用エンジンの
樹脂製
バランスシャフトギヤ
バランスシャフトギヤとは
自動車用直列4気筒エンジンの振動を抑制するバランスシャフト駆動用ギヤとして利用。
ギヤを樹脂化することにより、ギヤ歯打音を大幅に低減。
バランスシャフトギヤの製造工程
抄造製法により、粉末状のフェノール樹脂と高強度かつ振動減衰性が高いアラミド繊維を均一に分散させてシート状の中間材を製作します。その中間材をギヤ形状に打ち抜き、乾燥後積層し、加熱加圧成形後、仕上加工で完成です。
均一な高強度を実現
リサイクル炭素繊維を活用した
CFRP製品
NEDO省エネルギー技術開発賞受賞
CFRP製品の製造工程
抄造製法により、粉末状のフェノール樹脂と高強度かつ環境負荷が低いリサイクル炭素繊維を均一に分散させてシート状の中間材を製作します。その中間材を製品形状に打ち抜き、乾燥後積層し加熱加圧成形を行います。
CFRP製品の特徴
高強度を実現し、大幅な軽量化
低LCAに貢献
リサイクル炭素繊維の活用により
製造時の環境負荷を低くできます
LCA(Life Cycle Assessment)
ある製品の原料の採掘から運搬・加工・製造、使用、廃棄までのすべての工程での環境負荷を定量的に評価する手法。
CFRP製品のその他特徴
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特徴03
電磁波
シールド性が
高い -
特徴04
振動減衰性が
高い -
特徴05
熱膨張が
しにくい -
特徴06
耐腐食性に
優れる